こんにちは、きど歯科です。

 

本日は、治療の統計的成功率を高める治療に関してお話ししたいと思います。

 

歯の神経がダメになってしまった時に、神経を取る治療をします。その時の治療方法の選択次第で歯の持ちは各段に変化します。

 

①ばい菌に対する配慮

根っこの中をきれいに清掃・消毒しても唾液がダーダーに入ってしまう環境下で処置をすることで成功率が50%にまで低下します。しかし、『ラバーダム』と呼ばれるゴムのマスクを歯にかけ、唾液が一切入らないようにして処置をすると成功率が90%にまで向上します。

 

②根っこに入れる薬に対する配慮

根っこを治療する時に配慮するのは、『膨張と収縮』です。現在、日本の保険医療制度で使用できる薬は『ガッタパーチャ』と呼ばれるゴム質の薬です。その薬は経年的に劣化・収縮する性質があります。根っこを消毒をしても完全にゼロにすることができません。収縮したガッタパーチャの間から最近が漏れ出て根っこの先端が膿んできます。

この収縮する性質と相反する薬が『MTA』と呼ばれるセメントです。これは、経年的に膨張する性質を持っています。そして、その薬自体に殺菌性を持っていて、根っこの中の細菌を殺菌してくれて隙間を埋め、漏洩を防いでくれます。これが保険と自費の1番の違いだと思います。

 

③ちゃんと見る配慮

これはもはや根本的な問題かもしれませんが、目で見えない治療は意味をなすのでしょうか?当院では精密治療を希望された患者さんには『マイクロスコープ』と呼ばれる、手術用の顕微鏡を使って治療に当たります。歯を20倍に拡大してしっかり見ることができる唯一の医療機器になります。手探りの治療では心配になりませんか?

 

④被せる精度の配慮

根っこを精密に治療しても被せる精度が低くては隙間から再感染してしまいます。精密に根っこの治療をした場合(自費治療)は被せる物もセラミック治療(自費)になるルールになります。保険のルール上、自費で根っこの治療をした場合は上に被せるものはセラミックにしなければならないルールになっています。

セラミック治療は汚れの付きにくい素材になっていて、防汚効果のある被せ物です。

⑤時間に対する配慮

当院では保険診療に使用する時間は30分と決めています。その中で、以上に挙げた内容をクリアすることは不可能です。精密治療を選択された場合、とういんでは1時間の時間を設けています。ゆとりを持って、より丁寧な治療が出来る様に配慮しています。

 

成功率を高めるのはラバーダムという話ですが、その成功率をより確実にする為には『MTA』、『マイクロスコープ』、『セラミック治療』、『時間』が必要です。

 

以上に挙げた配慮ですが、手っ取り早く治療をしてほしい患者さんにとっては理解されにくいかもしれませんが、中には丁寧に治療して欲しい患者さんも数多くおられます。歯を長持ちさせたい患者さんにはこのような処置を希望されます。その際にはきど歯科をご用命ください。

きど歯科