保険治療

保険医療機関では、被保険者証の提出によって健康保険で診察を受ける資格があるかどうかを確認します。

一部負担金

  • 70歳未満の被保険者:かかった医療費の3割。
  • 70歳から74歳の被保険者:2割(現役並み所得者は3割)。
  • 75歳以上の被保険者:1割(現役並み所得者は3割)。

保険治療の限界

まず最初に断っておきますが、当院では、保険診療自体を否定するつもりはありません。国がバックについて、必要最低限の治療を受けられるという点においては、今でも優れた制度であり、当院のベースにあるものです。しかし、健康保険制度はできた当初は良かったのですが、60年も前からある法律の枝葉だけを変えてきただけのため、学術的にも、歯科医学的にも、技術的にも世界の標準(World standard)に大きく遅れているのが現状です。

現在の日本において、保険診療は最善の治療のあくまで「代用品」として存在していると言えます。つまり、保険診療は最善の治療のご提供ではありません。最良のもの、最善のものであればあるほど時間や手間がかかります。持ちの良さ、見た目、咬み合わせなどを考慮した最善の歯科治療に必要な条件を、保険適用による診査・診断、材料、方法のみで満たすことは、ほぼ不可能です。保険治療と自費治療の違いは3点あります。それは、診査・診断と材料と治療法です。

保険治療では、歯並び、咬み合わせ、審美性(美しさ)といったお口の中の重要なことについては、最低限のことしか考えられていません。保険治療と自費治療を比べると、歯の削り方、型の取り方、使用する材料、技工物の仕上がりなど、すべてが違います。保険診療には足かせがあり、限界だらけの治療であることが多いのです。自費治療は、一見高く見えますが、実はコストパフォーマンスが高く、体に優しく長持ちする分、10年後、20年後の収支は保険治療より良いのです。何より、ご自分の大事な、何ものにも替え難い歯を失うことから防ぐことができます。

保険診療の実際

保険診療では、歯の詰め物(プラスティック、銀パラジウム合金)や入れ歯は、半年でのやり直しが認められています。クラウン、ブリッジでは2年間の保証しかつきません。これは、保健診療での治療による結果が、半年や2年しかもたないものでも構わない、そのような低い医療の質しか求めていないということを意味します。言い換えれば、国も保健診療での質の低さに目をつぶっているということです。

再治療

何度もやり直しを重ねた結果、その再治療さえできないときがやってきます。保険の場合は5年前後で来ると言われています。その時は、残念ながら抜歯となります。私たちは歯科治療の中での保健治療の実情を理解し、自費治療という一番良い治療方法を知っているからそれを選びます。患者さまの多くは、何度となく繰り返される再治療を不審に思い、何年も何十年も歯科診療を受けてきたあげく、歯を失い、その結果として、歯科医療の耐久性を信頼しなくなっているのを感じます。

保険治療で十分な場合はあるの?

「保険診療で十分ではないのか?」とご質問をいただくことがあります。もちろん、保険診療のすべてを否定するのではありません。保険診療であっても、治療する歯の状態により、良質の治療が可能な場合があります。診査診断の結果、歯によっては保険治療で対応することをおすすめすることもございます。簡単にプラスチックを詰めることで対応できる場合や歯周病における初期段階の治療(優秀な歯科衛生士の存在が不可欠)は、保険治療で十分な治療が可能な場合もあります。

保険治療に限界がある理由その①

お口の中、とりわけ噛み合わせにも影響を及ぼす「歯」は本当に大切な場所です。実際、口腔内環境の悪さが、全身の重大な疾患にも繋がっています。例えば歯周病がそうです。歯周病は30歳以上の成人のおおよそ8割が罹患している感染症ですが、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病とも関連性があります。

通常、人は自分の体に異変を感じた際は、すぐさま病院で検査を受けるでしょう。しかしながら歯科はどうでしょうか?痛くなってから行けばいい、症状が出てから行けばいいと思われている方がたくさんいらっしゃいます。結果、歯が抜け落ちてしまったり、重大な疾患を患ったり…そうしてやっと気付きます。『歯を大切にしていればよかった。歯医者にしっかり行っておけばよかった』と。

抜け落ちた歯を放っておくとさらに周りの歯に負担がかかり、それらも抜け落ちる可能性があります。そうならないために、インプラントを埋入することも「予防」のひとつになります。もちろん、抜け落ちる状態になる前に歯医者に定期的に通っていれば、高額なインプラント治療をしなくて済みます。これもまた予防なのです。

重大疾患を未然に防ぐために健康診断(人間ドック)に行くのと同じように、お口の中も定期的に検査してあげないといけません。全ての病気にいえることですが、予防することは本当に大切なことなのです。

保険治療に限界がある理由その②

限られた治療しか提供できない(材質など)保険治療で使える材質は限られています。例えば虫歯。虫歯がある段階まで進行すると、「詰め物」や「かぶせ物」で補う必要があります。これらには実に様々な種類があります。銀でできたものやプラスチック、セラミックなど材質が全然違います。保険治療では材質に制限があるため、どうしても見た目が目立ってしまう金属のものや、経年で変色してしまうプラスチックのものでしか治療することができません。また、銀歯を使用した場合、メタルが流れ落ちて歯茎にも着色したり、金属アレルギーの問題があったり、体に悪い水銀を使用したものもあります。(諸外国ではすでに使用禁止されている)また、入れ歯もそうです。保険の入れ歯と自費の入れ歯では噛み心地、フィット性、温度の伝わりやすさなど、全くといっていいほど別物なのです。装着されたことがある方であれば、その差は歴然でしょう。

きど歯科